2011年7月29日金曜日

ドナルドキーン博士。

ドナルド・ローレンス・キーン(Donald Lawrence Keene)

 ドナルドキーン氏に限らず多くの外国人の日本人評は「礼儀深さ」ではないでしょうか。東日本震災被害の人々の節度ある行動が外国メデアに賞賛されました。無人島で一人で生活している人には礼儀や信義は要りません。他人と一緒に住むところには他人を意識した節度ある行動をとることが「礼儀」だと定義できます。

 ドナルドキーンさんは外国人と違う日本人の特徴を「自分を出さない」ことだと言われましたが、それは謙虚さや奥ゆかしさ、謙譲の美徳と言う意味と同時に、他人を尊重する、他人を立てる、敬意を払う、人様に迷惑をかけるな、などの他者への
配慮や思いやり、生命をもつすべての他者に対する信義と愛情です。

西洋ではこのような他者愛は自己愛(エロス)を超越した人のステージで、アガペー(天上の愛)と言います。ニグレンは「エロスは人間的な愛であって(自己実現の愛)原理的に自愛であり、自己中心性を脱することができず、利己主義に近づく危険がある。反対にアガペーは人間的立場に対する優越性をもち純粋に無動機の他者実現の道。」

西洋の哲学者が説いた愛を日本人は平均的に美意識として持っていたのではないかなと思います。逆に集団のなかで自己を出すことは美意識では醜、信義では恥という感覚でしょうか。

 ドナルドキーンさんが東日本大地震を契機にして「大好きな日本を元気づけるため
に移住する」決意をされました。ご高齢のキーンさんにとっては放射能汚染国への移住は大決心の要る行動で、日本人は感謝すべきであり嬉しいことです。

 博士のご厚意に微力ながら報いたく、そのことをツイッターでつぶやいたfacebookに投稿したりしています。当サイトでも日本人について改めて考え博士を紹介させて頂きましたが、博士の日本に対する愛を裏切らないよう、恥ずかしくないよう
に行動したいものです。2011.7

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